ポエム
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1 月の雨が雪になるという歌があった
あめゆじゅとてちてけんじゃ
詩人は痛切な思いで青森駅の長いホームを
歩いて連絡船に乗り込んだ
青森挽歌はオホーツク挽歌になる
愛するものの哀悼のうただ

いま自分も同じ思いで
遠のく人を引き留められないでいた
あなたが人間でなくなるほど
壊れてゆくことの怖さ
雨は二人の間を冷たく雪にした

怒号と暴力の衝動を鎮める
呪文の部屋から逃れて
自分は駅のホームのベンチにいた
どこにも帰れない

狂う人をどうするか
死んだら諦めもつくものを
日々の死の棘は病のあなたの口から
汚らしく吐き出される
それに耐えて耐えて
耐えきれずに
自分は行き場のない人になる

いつしか口にする昔流行った歌が
どうにもならないいまを紛らせる
雨はそれから雪になる
20/02/05 09:35更新 / シニヤ = シネー


談話室

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