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みきちゃん
みきちゃん

僕のこと覚えてる?

今ね・・・天使のことを想っていたんだ

ほら、羽根のはえたエンジェルのこと

そしたら みきちゃんのこと 思い出したんだ


幼稚園から帰ってきて 

カバンを玄関にそっとおいて

お母さんの目を盗んで 

こっそり みきちゃんに会いにいってたよね


みきちゃんは いつもひとりでお留守番で

さびしそうだったね

いつもチャーミングな笑顔で僕を迎えてくれて

次から次へと僕にお菓子をすすめるから

ちょっと困ってたんだよ


僕は みきちゃんといっしょにいるだけで

ただ座って向き合っているだけで

とってもしあわせだったんだ


ねえ、ふしぎだったんだ

僕は幼稚園で乱暴者だったよね

近所の子のお母さんたちからも嫌われて

「あの子と遊んじゃダメよ」って言われてたのに

どうして、みきちゃんは僕にやさしかったの?


みきちゃんのおうちは、水路の上にあって

みきちゃんの部屋の下は水が流れてて

ちっちゃな木造の古家だったけど

僕には平安貴族の寝殿みたいに思えたよ


でも夕方になったら大人たちが部屋に入ってきて

「この子たちったら、子供のくせに二人っきりで」って

からかうように笑いながら 僕たちを離したよね

「何でそんなに不潔な目で見るんだ」って

心の中で僕は怒っていたよ


水路には亀も泳いでいたっけ・・・

僕の嫌いなカニもたくさんいたね

でも兄貴がこないだ広島に帰って

僕たちが住んでいた社宅街を見てきたら

もう水路はフタをされて下水路になってたって


「みきちゃんの家はどうだった?」

そう聞こうとして 言葉が出なかったよ・・・


もう みきちゃんは いない気がしたんだ

でも それを知るのが ちょっと怖かった


ねえ、みきちゃん

あれから東京へ来てから

僕にはいろんなことがあったよ

いろんな人と出会ったよ

みきちゃんのこと いつしか忘れていった


ねえ 天使っていると思う?

天使は誰にでも一人ずつ付いてるんだって

生まれてから 死ぬまで

ずっといっしょにいてくれて

悲しい時や辛い時に

そっと羽根で包んでくれてるんだって


ねえ・・・みきちゃんは天使だったのかな?


みきちゃん・・・いま幸せに暮らしてる?

これまで辛いこと 悲しいことなかった?

僕がそばにいてあげたかった


いま僕は遠くから 

みきちゃんの幸せを神様にお祈りしているよ

19/06/02 22:46更新 / エメラルド

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