ポエム
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異次元

長身の黒人ひとり異次元に通じる穴のようにたたずむ


触れたものが黄金になる王様を時おり思いあわれに思う


地下鉄で男のカバンが二度三度オレのケツに触れ憎しみを抱く


菓子パンがパンを失いビニールがベッドの上につくる陰影


店長と喧嘩し辞めた織田さんのロッカーの中の油性マジック


行間に鳴いているのが秋の虫 花火が一つの詩であるとして


眠ってる赤子に青のミニカーを握らせ思い直して奪う


上腕に上腕二頭筋はあり君は言い訳せず生きたまえ


年齢がだんだん重くなってくる 三十三 見つめても減らない


「がんばろう東北」雨のトラックにはねとばされた水避けきれず


完全な球を目指して寝る猫の耳が少々はみだしている


自転車の横転による自転車の横転によりごっちゃごちゃごちゃ


あらかじめパンの内部に仕込まれたマーガリンまるで心のように


「おい見ろよ、こいつ卒業文集をもらってすぐに切り刻んでる」


糞ひれば力作だったすぐに写メ真横から写メ少し味みる


どう生きてゆきたいのかだ回り終え独楽は再び紐を巻かれる


音楽を背負った人が乗ってきてしばらく経ってしずかに降りた


太陽が泣いてるマークがあるとしてそんな天気にふさわしい風

16/04/06 18:04更新 / 工藤吉生

■作者メッセージ
異次元の短歌など

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