ポエム
[TOP]
懐中時計が崩壊していく最中に
一秒、一秒と丁重に刻まれていく時。
それは人に作られた無機物、人の知恵により生み出されたものであるが
それは人が存在するより以前からある、前提を形にし見るためのものである。
その一秒は誰かにとって救いだっただろうか?
その一秒は誰かにとって報いだっただろうか?
次の一秒は人にとって有意義だったのだろうか?

「無機質に刻まれていく時の流れは、今を生きる人皆々様を死へと前進させる為のものなのです。」

さてこの時計は今、私の目の前で最も無機物らしい表情を見せている。
動かない秒針、流れの随に歯車は動くべきであるはずだというのに、
この者は動作を停止しているのだ。
指先がしなやかに時計のふちをなぞる。
美しき鎖が何かにしがみつこうと重力のままに垂れ下がっている。
その時を刻むにふさわしいであろう、そのからだを手のひらに乗せ、顔を近づけゆく。
──刹那。

その秒針は、たった一つ、脈打ってはまた動かなくなった。
「たった一秒」──?
否、この一秒は、とても尊き一秒なのだと、
されどその一秒は、また同じく一秒の渋滞に飲まれ、過去に成り下がっていくのだ。
お前はまた、動き、尊き一秒を刻むのだろう?
だからその時迄、「久しぶりに動いた感動」の為、
また、眠っておいてくれないか。
18/11/04 19:31更新 / 充電式沈没船

■作者メッセージ
よくあることだ、それは。

TOP | 感想 | RSS

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c
学研のオンライン英会話 マンツーマンレッスン「Kimini BB」