ポエム
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夕暮れの酸素
つめたいや。

あたらしい酸素。
午前五時の空気。
弛緩していた身体の表情が、緊張しているみたいにピンと立つ。

おはよう。
肺腑に満ちていく、いっぱいの白い冷たさ。
眠っていた意識に挨拶する。

そしたら返事をするかのように、ぼくの身体はアスファルトの上を走りだす。
電柱。
雑草。
みんな置いてかれた顔をして、自身の歩けないことを諦めているけど。
それはぼくだって。

近所の猫が壁の上をつたっていて、?って顔をしてぼくをみた。
まるで、なんでこんな時間帯にきみは走ってるの?って言っているみたい。
なんかコミュニケーションとれたみたいで、ぼくは猫の声真似をして
 。 って間をおき、アハハって笑った、みゃー。

靴が擦り切れるのも構わず、闇雲に朝の道をかけていく。
なにもみえない。
なにもわからない。
でも、その暗がりのなかで、じぶんがどこかに向かっていることが、
まっすぐすすむ、っていうストレートな感覚が重要なんだって、なんとなく。

仄暗い空に誰にも届かない想いを走らせる。
こんな気持ち……。
風景とぼくだけが知ってさえいれば、さ。

疲れたスニーカーはヒモまで気怠そうにたれていて。
そんなぼくの足元に夕暮れのオレンジの色がともる。
いや、違う。
これは朝の光だ。

あったかいや。

……ああ、嘘だよ。
そんなこと全然なくて、ほんとは寒くて、
しかもなんかちょっと作為的な言い方で、
それがなんともぼくらしくて、やっぱりアハハ……って笑った。

どこもかしこも、夕暮れ酸素だ。

呼吸して。
手を振って。
午前5時のぼくに、さよなら。
16/12/18 19:13更新 / 黒須らいちゅう

■作者メッセージ
中学生のラブレターみたいな、思わず照れるようなものを書いてしまった笑

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