ポエム
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月の輪
ちいさく欠けて、飛び散った破片が刺さる。
心臓よりももっとふかいところ、ひどく痛んで死にたくなって、月に照らされたぼくは悲劇のヒーローになった。
ぼくが死ぬとき隣にいないでほしい、と、そんな人いるわけもないのに、口から出た。
氷がとけて、空気のいちぶに帰るとき、少しだけ呼吸がしやすくなった錯覚に、囚われてしまうのが人間だよ。
思い出すことも、思い返すことも、できてしまう。
便利なのはそれだけで、別にいいことじゃない。
300円のカッターナイフ。
なんだってできるような気がしていた、よるの底で、握りしめたものを突き刺して、反射する光に目を眩ませたら、生きることだって怖くない。
いつかあの星の裏側へ、秘密基地をつくりにいこう。
18/01/04 13:21更新 / 暮月

■作者メッセージ
あのアポロ十一号でさえ、到達しなかったという月の反対側は、きっと反逆者たちの楽園だったのだ。

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