ポエム
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パラドックス
「パパ、健康診断の結果が届いてるわよ」
君が親展と書かれた大きな封筒を差し出す

「癌もメタボも問題なしだ」
「良かったわね、あら」
君は目ざとく唯一の要注意を見つける
「血圧が高いって書かれてるわね」
「そうなんだ、検診の時も言われたよ」
「注意した方がいいわよ」
「そうだね、他は何も問題はないんだけど」
「そうみたいね」
「血糖値だって正常だからね」
「だから何よ」
「糖尿病を心配して僕のケーキ食べてくれなくてもいいよ」
「いつわたしがあなたのケーキ食べた」
「この前モンブラン二つとも食べた」
「女性の前に一時間もケーキ放って置くからよ」
「だからって僕に了解もなしに」
「そんなの所有権放棄とみなされて当然よ」
「まったく素直に謝ろうとしない」
「そんな事より冗談抜きに対策考えないと」
君はちょっとまじめな顔になる
「今ならまだ間に合うわね」
君が心配してくれるのがちょっと嬉しかった
「何、食事療法でも始めるつもり」
「ううん、そうじゃないの」
「病院で治療を受けろって事」
「ちがうのよ」
「なに」
「生命保険もう一口はいっとこうかと」
「な!・・・まったく」
「だってそうでしょ、女性の方が長生きするのよ」
「そりゃあ平均寿命からするとそうだけど」
「離婚して別れれば慰謝料はもらえるのよ」
「それと何の関係が有るのさ」
「死に別れたときの慰謝料と思えばいいのよ、わたしの悲しみの」
「それだと君も生命保険に入るのが平等だよね」
「あなた妻の生命保険金を期待するほど情けない男なの」
「う・・・・すみません、私が悪かったです」
20/01/16 00:11更新 / 司門君


■作者メッセージ
 口では到底君にはかなわない(涙)。

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