ポエム
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【短歌】漏らして泣いた



〈1〉
オレの行くときだけ雨がやんでいる予報だったがもう過去のこと

〈2〉
TOKYOは外国人の多い街いずれにしてもみな他人だが

〈3〉
早過ぎと思っていたが遅刻する危機に気がつき心いれかわる

〈4〉
金屏風背負ってしゃべるオレが見る壁は遠くでぼやけるばかり

〈5〉
父ヒロシその生きざまのへらへらをオレの理想にかかげる高く

〈6〉
いま思うキートン山田のひとことは大人になったまる子の声と

〈7〉
目の前を歩く小さなおじさんの口笛のせいでむなしいと知る

〈8〉
投げやりな気分だったがパトカーとすれ違うときややふくらんだ

〈9〉
早く早くとドアを叩いてそののちに漏らして泣いた夜を忘れず

〈10〉
11の「いいね」集まる悪態にオレの短歌はほぼ当てはまる

〈11〉
「エモい」無理「つらみ」も苦手「萌え」をいま六割くらい受け入れたとこ

〈12〉
守りたい自分が別にいないので歌壇名簿に情報おくる

〈13〉
政権とハラスメントの絶望をフォローしすぎた切り捨ててゆく

〈14〉
年号が移るくらいじゃ変わらんよ、人は 奥から牛乳えらぶ

〈15〉
「か」と「め」と「は」と「め」と「は」に分けていたはずが無言で出すし指先で出す



〈1-6〉『未来』
〈7-9〉朝日新聞「あるきだす言葉たち」
〈10-13〉『現代短歌』二月号
〈14〉NHKラジオ第1「NHKジャーナル」ニュースで短歌
〈15〉短詩の風(ツイッター)
19/04/13 22:05更新 / 工藤吉生

■作者メッセージ
短歌15首

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