ポエム
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風の塔から
丘に一つの風の塔

まわりは誰もいないけど

少女が一人文を書く

冷たい風が邪魔をする



愛した人の名前さえ

わからないのは何故だろう

私はきっと最後まで

わからないまま死んでゆく



だから手紙を書いている

書いて戸惑う愛の文字

冷たい雨に気をとられ

白紙に線を引いたまま



夕闇迫る山波に

恥ずかしそうに咲く星よ

とどかぬ月を前にして

あなたもきっと悲しかろ



霜踏む音が途絶えれば

ああ本当に一人だな

塔に向かって叫ぶ君

声はここまで届かない



窓から見えるオリオン座

あなたの家をさがしてる

手紙を書いて届けたい

あなたのもとへ届けたい



はじめましての返事から

恋心さえ疼いてる

愛の手紙が届くよう

風の塔から祈ってる






18/12/07 14:47更新 / 喜楽一膳

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