ポエム
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幻の石
大人の悩みをする年頃になりました。

龍のはしゃぐ冷たい風の中私は手を温めて

降りそうな雪を待って空を見上げます。

何気に私の待つ、その雪の彼というのも

パートナーでしたが、「王家に入る。」などを唐突に言い出してから

様子もおかしく

そのような玉でもありませんのに、殊更それを信じていたあの人は“宇宙人”でしたが私は腹を据えて慌てずに無心の応対を貫きました。

あまりに淡い春で御座いました。

私は哀しみに暮れてしまいました。

パートナーにたいして信じていたものは

人間、だったのです。

それを、私は上手に騙されたみたいです。

王家に入るためにその人が探してたルビーの石でしたが、昨晩遂に幻だと人にはっきり話をしてもらい、彼は諦めたようで、少しだけ安心しました。

涙をひたり。

煙草を呑みながら、あの人が本当に探してたルビー石の事を思い浮かべました。

私、ルビー石持ってたんです。ある方に「お前にぴったり。」だと言われ、石のついた原石を渡されました。一昨年火事に遭い、焼けてしまったのですが。

まさか、本当にあの人があれを探してたとすると、それが幻であったことは今日の雲のように優しく、幻の石にふさわしく、まるでルビーのように明るかったのです。

美しい空は働いた証で、あの人は嫌いになってしまったけど、

この空はすきでした。







20/01/04 08:13更新 / 淤白


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