ポエム
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決断
「お世話になりました
私 幸せになります」

そう言って
飛び降りた彼女は
すぐに道に迷ってしまう
しわくちゃの貼り紙が
大丈夫か とため息

途方にくれた画鋲は
あの靴が通りかかるまで
待つことにした
会ったら言うべき言葉を
何度も唱えながら
ずっと待っていた

そして僕が帰宅すると
靴底に金色の花嫁が
ぴったり寄り添っていた
幸せそうな彼らは
明日あのゴミ箱に行きたいと言う
年老いた貼り紙に
あいさつをしに

凍えそうな朝
僕ら3人はドアを開ける
北から吹いてきた風が
僕らの肩に手をのせ

そして南へそっと去っていった



19/11/25 20:28更新 / 砂漠色

■作者メッセージ
落ちてる画鋲に幸あれ

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