ポエム
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あの日と言う町
久しぶりに古い町を訪れた僕は

そこここに転がる思い出の欠片を拾い集め

もう消えかけたあの頃のノートに

一ページ一ページ丁寧に貼り付けていった

途切れた白い行の記憶を探し出しては

わくわくしながらその空白を埋めていった

一ページ出来る度に僕は少し若くなる

早春の午後は穏やかな冬日和

それでも風は僕に肩をすぼめさせる

町のはずれにつく頃には

僕はずいぶんと若くなっていた

そしてそこでまだ少女の君とめぐり逢う

僕と会うことが嬉しくてたまらない

そんなそぶりを隠そうともせず

君は僕の腕を取り寄り添って歩く

町は古い思い出と今生まれたばかりの思い出で溢れ

土産物のビードロ細工の様にきらめいている

僕は小さな花屋で君に送る思い出を買い求め

ノートの最期のページに書き込んだ

雪を抱いた由布岳から降りて来る風は冷たいけれど

思い出はこんなにも優しくこんなにも暖かい

 
20/01/04 12:20更新 / 司門君


■作者メッセージ
 由布院紀行、久しぶりに妻と由布院に行ってきました、思ったより日差しは暖かかった。

 ここはどこ、日本語が聞こえない(笑)。

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