ポエム
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考えるとぼうっと
ススキの揺れは山の囁きに
トンボの群れは空の塗料に
みんな溶け込むときがきて
それぞれの影は交わっていき
境を消して輪郭を広げて
いつしか一つの世界になるのかな

予感はいつまでも予感のままで
硬い銅板につぶされている

まだまっさらになれない僕は
焦点が消えるまで目を開けたり
空気が張りつくまで耳を澄ませたり
指を咥えた子供のように待ったけれど
今日も隅へと追いやられて
何も知れずに帰路についたよ

願いはいつまでも願いのままで
冷たい檻に閉じ込められている

明滅する外灯を伝って
離れ小島のような家へ向かう間
ずうっとずうっと考えたけれど
どうしたって僕の影は僕の背丈のまま
足からくっきり伸びていて
ひとときも離れずについてきたよ

自分はいつまでも自分のままで
いびつな感覚に包まれている
19/11/12 12:33更新 / わたなべ

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