ポエム
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涙は千の言葉
君と初めて旅をした

親のあわてるのをよそに

それぞれの家を出た

正月二日



新宿発二十二時十分の夜行列車

行く当ても無いただ二人で居たかった

無人の車内は僕たちだけのため

この旅の様に当てどない会話が続いた



不意に君が言った

わたしよりあなたにふさわしい娘がきっと現れるわ

僕の心は一気に奈落の底へ突き落とされた

それは聞こえの良いお断りの言葉じゃないか

上目づかいに見上げる君

そうかもしれないね

僕は精一杯の虚勢でそう言った



ふっと顔を伏せた君の目からポロポロと大粒の涙

千の言葉を聞くよりはっきりと君の心が分かった

僕はつまらない意地を張ったことを悔やんだ

ばかだな僕は君を選んだんだ

君はおそるおそる顔を上げる

君は違うのか

小さく首を振る君



指で君の涙をすくい顎を引き寄せる

しゃくり上げるくちびるに唇を重ねた

十九と二十歳どちらも遅いファーストキス

震えるほど甘く少ししょっぱかった
19/12/26 22:07更新 / 司門君


■作者メッセージ
 本当に初めてだったんだぞ、司門君は一応まじめな受験生だったから女の子の手も握ったことがなかっただぞ。
 ちなみに、二十歳は妻で十九が私です。

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