ポエム
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珈琲
広い部屋の片隅で僕はひっそりと目を覚ます。
白いカーテンがゆらゆらと揺れている。

部屋の真ん中にはひとつのテーブル。
ふたつの椅子。
ひとつのサイフォンとひとつのカップ。

部屋の反対側のごみ箱には
カップひとつぶんの重さの瓦礫。

それにしても本当にがらんとしている。
部屋の広さのためだけではないのだろう。

サイフォンから汚れた涙が滴る。
僕の頬はこの冬酷く乾燥しているけれど
この一瞬は頬も悲しく潤うんだ。

苦い後悔を啜って溜息をつく。

嗚呼 どうかもう少し この香りに包まれていたい。

カップから温もりが消えるのを
この目で見つめるのは
怖いけれど大切なことで。


君はもう戻ってこないのだろう。


行く時間だ。

ひとりぶんの靴がある玄関から
からっ風の鳴る 外の世界へ。
17/11/14 12:50更新 / なさか

■作者メッセージ
珈琲はブラックで頂きたいものですね。


恋愛詩というか、失恋詩というか。
あるいは、

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