ポエム
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青春の喜びと悲しみ
  
梅雨明けの清しい空をツバメが一羽飛んで行く

僕の町はもう早苗に吹く風は消えたけど

古い思い出は未だそこここに残っている



夏待つ学舎の窓で

フォークダンスの校庭で

僕はいつも君の姿を目で追っていた

僕が君を愛したのは

幸せな笑顔でまっすぐ未来を見ていた

その輝く瞳のせい


生きることが辛いなんて

あの頃は少しも思わなかった

君の目が僕を見つけるのを

今日か明日かと待っていた


君は今でもあの恋を覚えていますか

たった一度僕の頬に君がくれた口づけは

この悲しい恋が眩しく輝いた一瞬だった


僕は君に疎まれる事だけが怖くて

君の自由を奪う事をためらい

握りしめた手をゆるめてしまった


君が坂道でわざと転びそうになった時

僕は何も出来なかった

君は君の不安ごと強く抱きしめて欲しかったのに

僕がそれに気づいたのは君を失くしたずっと後の事


青春は再び訪れる事は無いから

喜びも悲しみもみんなみんな愛おしい

今でも君と歩いた道をたどると

あの頃に時計を戻せたなら

ふとそう思う事もある


僕の町はもう早苗に吹く風は消えたけど

君の髪を揺らした風は今でも川面を渡って

僕の手の届かない向こう岸へ吹いて行く

19/05/11 17:40更新 / 司門君

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