ポエム
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狐の嫁入り
それは、もうこの世に存在しない。
生きていた影だけがブレている。
彼は、そしてどこに、行くのか。「そして」という続きの言葉が、果たしてそもそもあるのかしら。
流せない怒りはあと何年降り積もるのか。


「私はあなたの日蓮様を崇めているから、お願い、あなたの可愛い依存心に見守られてみたい。」魔物は言った。
「ゆとりキョウイクで、日の本を守った日蓮様ね。あなたが世界を愛しているのなら私は好き」女は約束をした。


それから五年が経ち、この宗教家のひとりの女は、その魔物を愛し尽くした。


「世界は私が思っていたより単純ではなかったわ。人の繊細な心を知って欲しい、気付いたの、あなたによ。どうして人様の上に登ろうとするのでしょう。天でもなければ、駄目になることが多いのであるのに。私には断然重いものがあります。それは例え世間に不徳に映ったとしても、揺らぐ事の無いもの。」


女は怒りだしたが、大きな影の下で今語りかけることしか叶わない。
光を追って行きたいのに夢から覚めない静寂を抱えながら手が冷えていく。
ただし、女が語りかける、心のことから例え相手が魔物であろうと世界は徐々に変わって行くのかも知れない。その手に光が射す時、行け、知した世界を、そのかつて男、魔物へ届けに。



人は「誰か」、「何者か」に左右されるほど、色を思う。
色が人を砕き、魔に化せる。だが美しい女の罪よ、愛しくあれ、南無。
19/09/10 00:59更新 / 淤白

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