ポエム
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stray dog




"僕の犬を見て!"
"可愛いでしょう?"
"どんな時も待っててくれるんだよ"
"きっと僕の事が大好きなんだ"





餓えてる筈の野良犬が
与えた餌を喰わずに皿ごと掻剥返すのを
僕は毎日 長い間
溜息混じりに眺めていたんだ

ある日突然 野良犬が餌を食べ出した夜
見れば 横っ面に痣があり犬歯が折れていた


僅かに期待してた僕は自分を笑った

それは懐柔したのでも
信頼関係を得たのでも無い

ただ耳を伏せて怯えて
意地も誇りも失い 逃げ惑い
目の前の喰える餌にかぶり付いただけ
皿の中を綺麗に舐め回したら
野良犬は また往くのだ

そこに僕の存在は不要なのだから


逃げてきた野良犬が
たまたま餌を与え続けていた
僕の居る場所に着いた

ただ それだけなんだ


頭の良い犬は自分の嵌めてる首輪が
無理矢理引っ張られるものじゃないと
知っている

飼い主の隣を歩く時
犬にとって首輪とリードは
まるで繋いだ手の様に感じられる筈


他者の介在が不要な世界と
愛玩されなければ死んでしまう
寂しがりの犬
それが今の僕に必要な存在かもしれない。


 
18/11/17 19:54更新 / K

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