ポエム
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じいちゃんの山
これはじいちゃんを思い出す度ですが
じいちゃんがどんな人だったかとか
それはよくわかりません
じいちゃんが今どうしてるかとか
それはますますわかりません

じいちゃんの山に着くのはいつも
月が自分の軌道を確保した時間です
山といっても僕が知ってるのは
地面いったい煙草のささったこの広場だけです

沢山のロングピースの先っぽが
一斉に明るくなって
じゅわあ ぼわあ じゅわあ ぼわあ
渋い音と匂いを撒きちらしながら
煙を夜空に向かって飛ばしています

月明かりがちらついたり
月の輪郭がよどんだりするのは
耐えられずにむせて泣いているのか
それとも香りを楽しんでいるのか
それはよくわかりません

僕はメビウスだったりアメリカンスピリットだったり
その時々で銘柄は変わってしまいますが
ここに来るたびに一本ずつさしていきます
そうしないと虚しくなります

じいちゃんの山は僕の山じゃないですが
僕もいつか渋い音や匂いで月に向かって
煙を沢山出せますようにと
じいちゃんの山で練習します
19/09/10 22:52更新 / わたなべ

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