ポエム
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成人とは
「優(すぐ)れると云うこと」

七歳、初稽古。子供が自然にやりたいことに、生まれもった美点が見つかる。

十二、三歳、子供であるから何をしても幽玄に見える。美点があれば悪いところは隠れ、よい面はいよいよ花。
しかしこの花はまことの花ではない。
時分の花と云うべき。

十七、八歳、転換期、多くの稽古は望めない。
意欲もかつてと勝手が違うため消え失せる。あれやこれやでへこたれてしまうものである。
無理な調子で謡うとすれば立ち姿にまで悪いくせが出るものだ。

二十四、五歳、稽古の境目。声と姿という二つの天分。
この年代に盛りの芸が咲きはじめる。役者があらわれたと人も注目する時分。
まことの花といえば、若さと珍しさゆえの一時の花である。ただ、初心のたまものである。
一層稽古に励む。










今僕は卸したての服に袖を通した、若者です。
偉大な詩人と同じように時間の流れに身を置く、憧れた目を持つ、
まるで積乱雲の様にふくれた心です。


世阿弥の風姿花伝によれば、
三十は芽で、四十が蕾である。
そう聞いて周りを睨んでも、
ウォッシュデニムのような人の味ながら、真の事に感銘を受ける。
空の色が歳を重ね、濃ゆまるので
僕も花の美を知るだろうか。
そう思ったのは二十の頃で、
お能は人生を丸々表現するのであるなら、成人とは想像するちからだ。
19/08/11 17:35更新 / 淤白

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