ポエム
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ストーブ
朝方。

手に霜が降り、
氷柱が両の足に5本ずつ、
足の甲から伸びている。

急いでストーブに手を伸ばした。
ピッ と間抜けな音が響く。
しかしこれが、すぐにはつかない。
ジリジリと音を立てるだけである。

私は、寒さの中少しばかり待ってみた。
が、なかなかつかない。
苛立ちの末にその場を立ち上がる。
ストーブはまだアホヅラのまま。
「えい、ストーブより速く着替えてやる」

凍りつきそうな手を握りしめ、

急いで足を動かし、着替えを取りにゆく。
その動きは、獲物を狙うチーターの様に機敏であり、
その勢いは、嵐の後の荒れ狂う大河を思わせた。

その勢いのまま、着替えを始める。
アホヅラの方をチラリと見た。
まだ唸っているだけである。

安心と怒りを覚えた私はさらに速度を増して着替えた。
シャツに手を通し、流れる様にボタンを閉めた。
滑らかかつ素早く、ある時には力強い。
その動きはまるで、一流の水泳選手の様であった。

息を切らした私は、ついに着替え終わった。
勝利の余韻と共に疲労感が襲う。
私の体温は確実に高まっていた。

その時にようやくストーブがついた。

1秒で消した。
20/01/08 18:50更新 /


■作者メッセージ
朝の一コマ

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