ポエム
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通学路
軽薄な言葉が白い湯気となって冬の空に浮かんだと思えば、いつの間にか電車はホームへ止まり、ドアが寒さなど全く意に介さない様子で開いた。機械の無情さが寂しかった。
それでいて隣に気のおけない友人がいるのだから、俺の心の醜さが知れる。

隣に走るアスファルトは何処までも続き、時は一秒たりとも遅れはしない。
人が観察しようとなかろうと、世界は常にそこに存在し続ける。
ある感覚があれば他の感覚がある。
それは決して無限ではないし、数えられる程少なくない。
大体世の中はそんな風に存在していて、学校に向かう足取りの重さは意識一つで変わる。

クラスルームに入れば心のわだかまりは腹へ下り、鈍い腹痛となった。
脂汗がしたたり、つまった毛穴は赤く腫れる。
こういった事を何度繰り返しても、悩み、あぐねるばかりで、いっこうに解決の手段を見いだせないのは、妄想の内に閉じ籠る人間の特徴ともいうべきか。

ニュースに自殺の文字は絶えることがない。
過労、虐め、洗脳。これらはみな自殺した彼らに少なからず共通していて、それが誰によってだとかは直接関係がない。
自分を殺すのは自分だ。
いくらいじめられようが、追い込まれようが、狂おうが、最後に自殺を選ぶのは彼ら自身だ。

彼らは何かを信じて自殺する。
死への恐怖はもんどりうって信仰へと変わり、自己矛盾は解消されて何処までも都合のいい妄想のなかで、人は混濁の内に死ぬのかもしれない。

俺に死は正当化できない。
多分死ぬまで出来ない。
醜い心と思考を自分だけの妄想と現実の混じりあった世界に撒き散らしながら、寿命を待つのだ。
19/07/04 15:03更新 / メジロ

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