ポエム
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裂かれた恋文
あれからそれなりの月日を2人で過ごしたね
制服はもう卒業して 少し大人びた栗色の長い髪
同じ道に進み 小さなキャンパスを歩いていた

すでに2人の距離はとても近くなっていて
どんなことでも分かり合える 君が気にしてるところも好きになれたよ

夜空に背を向けて あの日交わしたキスとは違う味のキスをする
二人だけの空間 季節は秋なのに 熱帯夜
届かない場所まで手を伸ばした 君の本当の姿を探し当てるまで
君の中をかき分けるように 指を滑らせる
2人だけの世界で 君の全てを感じたい

次の日の朝 いつもと同じ朝のはずなのに
なぜだろう 手を離したくない 駅までの道
そういえば今日は記念日だね
君がくれたクッキー ちょっとヒビが入ってる
2枚の手紙 感謝のラブレター
こんなにも嬉しいはずなのに なぜ?
電車のドアの向こう 大人しく手を振る君
少ししょっぱい涙が ひとしずく
潮風の匂いとともに 僕の顔をしかめさせた

知らない番号からの着信 なぜかイヤな予感
一度わざと無視をしたけど 何度も不気味に輝くから
冷たい画面にそっと指を置いた

ふと気がつくと 暗い病室で僕は泣いていた
何度も叫んだから 喉の奥が痛む
ベッドで目を閉じる君 昨日僕の横で見せた顔とは違う

絶望の言葉 時計の針が不気味に動く
今日は赤い月 カーテンの隙間から覗いている

声にならない嘆きが 部屋中に轟いて
失望の表情 誰も皆 悲しい世界に迷い込む

ついさっきもらったラブレター 狂気によって引き裂かれた
19/09/16 20:39更新 / 清戸日向

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