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電車とインド映画
私は咲ちゃんと電車に乗って登校する。咲ちゃんは片耳にヘッドフォンをしたまま私との会話をこなす。咲ちゃんはそのうち身体を小さく揺らしてリズムを取り出した。咲ちゃんの身体の動きはオーバーになっていくので、私は咲ちゃんに身体を揺らしてリズムをとることをやめるように言った。いよいよ咲ちゃんはiphoneから大音量で音楽を垂れ流して踊り出した。私はインド映画のワンシーンだと瞬時に分かった。咲ちゃんのインド映画への耽溺ぶりは半年前から続いており、咲ちゃんのインド映画好きが臨界点を突破してしまったらしい。周囲から不快よりも迷惑よりも驚愕の視線が向けられる。踊りは隣のくたびれた容姿のおじさんに感染して、瞬く間に一車両がインド映画のワンシーンになった。私はフラッシュモブというやつかと思いつつ、何故行われるのか不思議に思った。フラッシュモブが終われば電車内で人々が抱き合い、ワールドカップの試合で自国のチームが勝った時のような様相を見せた。咲ちゃんは私に向かって言った。インド映画に出るためにインドのアクターになる、と。
20/01/26 00:31更新 / ジアール

談話室


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