ポエム
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6 そんな手に乗るバカもいる


(さすらい猫は、魔女の魔法で
(可憐で冷たい、少女の姿で
(死ねないからだを引きずって、
(街から街へと、さすらう運命(さだめ)。



さすらい猫の、悲しみを、
この僕だけは、わかってあげる。

さすらい猫の、人(猫?)の悪さが、
きまじめな僕を、からかうし。

さすらい猫は、天使の翼で、
笑ったその顔、隠すんだ。

さすらい猫が、笑ってくれたら、
僕もやっぱり、嬉しいけどね。

あの日出会ったさすらい猫の、
遠い過去の火、観る瞳、好き。

さすらい猫は、ひとりが好きだろ、
過去しあわせな、恋愛がない。

そして、猫は、どの旅の空、
見上げてみたって、春まだ、遠いよ。



さすらい猫に、惚れたのは、
猫の寝言を聞いたとき。

『お願い、もう、いい。
『もう、死なせて。

閉じた眼からは、涙がひとつぶ、
かすかに浮かんで、すぐには、乾いた。

さすらい猫の、悲しみを、
わかれるはずなど、ないけれど、

さすらい猫が、好きだから、
さすらい猫に、顔、近づけて、

寝ているこの娘を、おそうんだ、
おそうといっても、キスだけだけどね?

ちゅって、クチビル、奪うんだ。
熟睡してるし、いいでしょう?

かわいい、いたずら、
そのはずが、

眼を開け、僕を、
軽(か)あるく、にらみ、
両手を僕の、首すじまわして、
ぎゅーって、僕を抱き寄せて、
猫が、僕を、奪うんだ。

さすらい猫は、さすらい猫は、
僕の、素敵な、愛しい天使だ。

さすらい猫の、悲しみを、
僕は、僕の、すべてを、賭けて、

癒してあげると、誓ったが、
深い理由が、ある訳ではなく、

僕は、僕より、こいつに、恋して、
僕より、こいつが、たいせつ、だから。

だから、さすらい猫のすべてを、
恋して、愛して、酔わされ、嬉しい。











19/03/09 05:22更新 / 花澤悠

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