ポエム
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天使の成人式
小さな花かごを持って私は病室のドアを開く

君は涙ではらした目で私を見る

こわれそうな微笑をうかべ呟くように言った

「わたし しっぱいしちゃった」

私は黙って君を抱きしめた

私の胸に顔をうずめ君は肩を震わせて声を上げ

「ごめんなさい ごめんなさい」とくり返した

私は君をこの胸に押し込めてしまいたいと腕に力を込めた

「君のせいじゃない 全ては神様の決めた事だ」

「今は身体を治して元気になって」

「今度は元気な子供をうもう」

君は胸の中で小さくかぶりを振った



それから私たちは三人の子供を授かった

皆優しくて良い子に育った

それぞれに個性は強かった



今になって始めてわかった

なぜ君があの時かぶりを振ったか

生まれなかったその子に 今度 は無かったのだ



天使になったお前に逢えていたなら

どんな笑顔で どんな言葉で

私たちを幸せにしてくれただろう



お前は今 二十歳になる
19/09/25 15:32更新 / 司門君

■作者メッセージ
 生まれなかった胎児や、罪を知ることなく亡くなった赤ちゃんは天使に戻ると言われています。

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