ポエム
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「全部ウソ」



疑り深い君が言う。

「全部だよ、全部欲しいんだよ」

黙ってその小さなカラダを引き寄せて、抱きしめた。


「うん、俺もだよ、同じだね」

そう答えながら、一つだけ、ウソをついた。



「君にサヨナラだけは言われたくない」



そんな、「全部」、の中に入ってる怯えだけは、

どうしても、言えない、言えなかった、あの日から…



「ぜーんぶ、ウソ」と笑い泣きして去る君をみて、



あのときの「全部」の中に、僕と同じものも入ってたのかな?

最後の「ウソ」もどこまでが「全部」だったのかな?



全部ウソ、って、もっと早く、言えたなら、もっとお互い、欲張りになれてたのかな?


君の背中越しに映る夜空に向けて、この独り言も、全部ウソにしてしまおう。
17/12/30 19:38更新 / 伊弉諾 雫

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