ポエム
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うちわと扇風機
そう、あの日は
アブラゼミの鳴き声が
いっそう、暑さを引き立てていた。

机に置かれた、二人分のスイカ
汗をかいた、僕と麦茶のコップ
君が来るまで、僕はうちわを使おう
うちわには、二匹の コイ
紅色と真っ白なやつだ。

縁側にいる僕は、広々と開いた窓から
君が来るのを、じっと待つ。
こっちに走ってくる君は、白のワンピース
外にいるのに、君は涼しそうにたたずんで。
僕も、君の元に行って涼みたいな。

家に入ると君は
「暑いね」と言ってきた。
僕は少し嬉しそうに笑いながら、
使っていたうちわを畳に置き
扇風機を、持ってくる。
スイッチオン。首振り機能は使わない。

僕と君は、一緒に扇風機に近づいて
それと同時に、二人の肩も近付いた。
君との至近距離、心拍数が上がって
妙にあつく感じた。
今度は僕が「暑いね」と言うと、
君は、「そうかな?」と、曖昧に。
暑さで赤色だった僕の顔は
とたんに紅くなった。

この部屋には、
顔の紅い一匹の恋と
ひらひら美しい、真っ白の鯉

それしかいなかった。
19/09/29 08:18更新 /

■作者メッセージ
久しぶりに、うちわや扇風機を出すと、凄くホコリをかぶっちゃってますよね。
扇風機をつけると、一気にホコリが飛んできて、びっくりしました。
感想やアドバイスあれば書いていただけたら幸いです!

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