ポエム
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雨蛙と楡の木
さわやかな風が吹き始めたころ

小さな小さなあまがえるが池から出てきた

初めて見る広い世界に手足をいっぱいに伸ばしながら

目の前の大きなにれの木を見上げ

目玉を飛び出させながら言った

「でっかいなー 天に届いてる」

これを聞いたにれの木は少し照れながら言った

「そんなに大きくないよ もっと大きいものもいるよ」

「そうなの でも僕にはでかすぎて分からないよ」

「でもかえる君はどこでも歩いて行けるから良いね」

「あなたは歩けないの」

「そうだよ 生まれた時からずっとここに居るんだ」

「でも青い葉っぱがキラキラ光ってすてきだね」

「うん 今年生まれたばかりの葉っぱなんだ」

「いいな どうしたらそんなにキラキラになるの」

「分からない 多分風さんが揺らしてくれるからだよ」

「そうか 風さんに頼めば良いのか」

小さなあまがえるは風さんを探しにぴょこんとはねた

しばらく行くと風があまがえるの背中をなでた

「あ 風さん 僕もにれの木さんの様にキラキラにして」

「ああ にれの木さんのキラキラは雨さんが濡らすからさ」

「そうなのか ありがとう風さん」

あまがえるはまたぴょこんとはね 雨さんを探しに出かけた

しばらく行くとあまがえるの目にぽつんと雨

「あ 雨さん 僕もにれの木さんの様にキラキラにして」

「あのね にれの木さんのキラキラは太陽さんが照らすからだよ」

「太陽さんか どうもありがとう」

あまがえるはまたぴょこんとはねて出かけた

しばらく行くと小川に太陽が映っていた

あまがえるは頭をいっぱいに上げて言った

「太陽さん 僕をにれの木さんの様にキラキラにして」

それを聞いた太陽はおかしそうに笑って言った

「あのキラキラは風さんが葉っぱを揺らしてるからさ」

「そうなのか どうもありがとう」

あまがえるはちょっぴり悲しくなって小川に飛び込んだ

ぷかりと浮いたままゆらゆら流されていると

「かえる君 風さんは見つかったかい」

土手の上からにれの木が呼びかけた

「見つかったよ でもだめだった」

「どうして」

「風さんに聞くと雨さんだと言うんだ」

「雨さんだったのか」

「でも雨さんに頼むと太陽さんだと言う」

「そうか 太陽さんなのか」

「けれど太陽さんは風さんがしてると言うんだ」

「僕どうなってるのか分からなくなったよ」

「そうか 誰も知らないのか」

あまがえるはぴょんとはねて土手に上がった

「かえる君 かえる君だって背中キラキラしてるよ」

「え 本当に」

「本当さ 僕と同じ色をしてるよ」

あまがえるは嬉しくなって大きくぴょんとはねた

青いかえるの背中がキラリと光った
19/08/30 16:39更新 / 司門君

■作者メッセージ
 親子で楽しんでいただけたらと思い書いた先品です。

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