ポエム
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砂漠の旋律
見渡す限り
一面の荒野
真っ青な空の下で
無数の孤独達が
時が止まるのを待っている
太陽が僕の皮膚を焼き
歴史に絆創膏を貼れとせがむ
今にも消えそうな蜃気楼を追い
急いでラクダにまたがる

ラクダは1歩1歩
ゆっくり踏みしめながら
息絶えた者達を今もいたわる
木魚の音がこぶの中に響き渡る
真っ黒なおじさんにも
真っ白な僕にも
平等に熱風は吹き付ける

ラクダから降り
砂上の楼閣を登っていく
少しこけて尻餅をつく
柔らかい砂が僕を包む
砂漠は砂漠色をしていた
もう少し焦げればおいしそうなお菓子だ

すべてを拒み続ける世界に
太陽は別れを惜しんで
地平線まで手を振っている
僕も寝転びながら手を振る
熱くて身体が燃え尽きそうだ
ビブラートを利かせた稜線が
不断に舞っては消え
心の琴線を揺さぶる

不意に自分のふがいなさを思い知り
今までの悔しさを蹴ろうとして
砂が目に入る
潤んだパノラマに
無数の星達が慰めに来る

そして僕はしばらくの間
砂漠とともにたたずむ
歴史が動いた地には
いつも静かに風が吹いていた

19/11/04 15:23更新 / 砂漠色

■作者メッセージ
中国・敦煌にて

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