ポエム
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早花
朝起きると
真っ赤なバラが机の上に

ドライアイスにつけられ
一触れすると
花びらは私の手の中で涙を流す

サンタが走った道には
バラのトゲが落ちていて
その誘惑に負け
人々は早朝からパーティーへ繰り出す

そこでは
黒い仮面をかぶった男と
深紅のドレスをまとった女が
何をするわけでもなく
彼らの心臓にフォークを突き刺す

つんざくような朝に
正義の馬車から逃げるように
男女は部屋のカギを閉める
ブーイングの嵐を前に
風前の灯火となったこの命
せめて次のクリスマスまで と
赤い夢を抱きしめる

そしていつしか夢がはじけ
それが口から口へと暴露される
しかし彼らが残した
恐怖と一酸化炭素の味だけは
一生語らず
朝日が昇る所に
そっと置いといた
19/11/02 13:23更新 / 砂漠色

■作者メッセージ
以前火事に遭ったことがあります。その日の朝の寒さを、未だに忘れることが出来ません。

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