ポエム
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朝顔

薄紫に霞む朝もやの奥 静かに微笑んだあなたに

魅入られて吸い込んだ霧は この胸を淡くつつみ清めていった

音のない暗闇の中 ずっとあなたをさがしていた

伸ばしたこの手は 虚空にもてあそばれた

冷たさも 温もりもない 眠り薬のような風に身をまかせて

おとずれる夜明けを待つだけの 悲しみすら忘れた僕の

瞳に映った やわらかに揺れる 蒼い朝顔の花

淋しげに恥じらうような 閉じたつぼみが たおやかに開いていく

霊妙なきらめきで彩られた 満開の微笑みは なぜ そんなに優しいの

なぜ 苦しいほどに 僕の胸を恍惚で満たすの

なぜ あなたの輝きは 太陽よりもまぶしいのに 僕は目を見開いているの

ずっとあなたに 会いたかったのに 

切なさに 涙がこぼれて 

言葉が見つからない

また 傷ついてしまうの 

また あなたは行ってしまうの

夜のしじまが しずかにとばりを上げていく 

ゆっくりと霞んで流れゆく 朝顔の花

静かに見送る僕の胸に落ちた 花びらの露しずく



  
19/07/02 20:22更新 / エメラルド

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