ポエム
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興による
「どうしてそんなに耳が赤いの?」
「寒いからさ。君は寒くないのかい?」
「私は感じることが出来ないから」
「温もりも?」
「温もりも。」
「私、行くならずっと遠くがいいな。誰も私を知らない場所。」
「ベランダが好きなんだ。」
「どうして?」
「ボロボロの欄干は風景を溶かしてくれるから。」
「それは海の言葉」
「彼女は聾唖者なのよ。」
「喉が涸れたんだ。」
「昔、映画を見たんだ。4人の子供が線路の上をひたすら歩く映画。僕もこんな安っぽいセンチメンタルに浸ってるくらいならどこか遠くへ、誰も知らない場所にあるうらぶれた線路の上をただひたすらに歩きたいんだよ。」

粘ついた空気は東へ、カクカクした都市風景に狂わされた人々を嘲笑うかのように流れている。子供は遊び場へ、飛行機はそらへ、意識は呼吸にうもれて。
私は何処に向かうのだろう?
19/12/16 14:35更新 / つたない


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