ポエム
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遺書
人の流れに逆らい歩く
私はいつもこうだった
片足の靴ひもがほどけた
ホームはすぐ目の前だ

彼と並んで立っていた場所
電車から降りる同級生
全部、全部忘れよう
私はどうせふわふわ浮いて
知らないところで消えていく

さっき買ったパンが引き留める
振り払うのは簡単だ
後がちょっと怖いだけ
ちょっと頭が痛くなるだけ
まだ後ろを振り返るのは
彼が何も言わないから
私がずっと弱いから

急行電車が進んでく
鼓動が早くなっていく
次に乗るのは何年後?
分かんないから置いていこう
後輩にあげた分厚い教科書
後悔なんてしていない
私はきっと帰れない
それでも良かった
生きる自信もなかったからだ

たぶん彼は今日も笑う
たぶん君は今日も泣く
それに寄り添う人がいる
私がいても変わらない
いなくたって変わらない
少し疲れただけなんだ
だから白線の先にいる

最期に私を照らすのは
太陽でもスポットライトでもない
電車のライトだった
19/07/24 20:17更新 / ポリアンナ

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