ポエム
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満月のドッペルゲンガー
果てどなく見渡せる砂漠のように
あの頃の心象風景は確かに透き通っていたはずなのに
いっぺんの雲が月を翳らすように
ふとした時にできた僕らの心の翳り
思い煩うことも
不安な夜に眼が覚めることも
決して珍しいことではなくなって
堂々巡りの疑心暗鬼が心を埋めれば
特別大きな満月が煌々と輝いた夜
窓ガラス一枚隔てた向こう
写し身の虚像をはっきりと見る
虚像とははたまた実像
実像の実在は今や不確か
窓の外微笑む実在の虚像に
身も心も預けてしまえよって
後光のような聖性と温もりを湛えた月が
そう諭していた
順繰りな朝を迎えることも
寄る辺なき夜を超えることも
今となっては思い残すこと一つ無く
確かに見えたDoppelganger
身も心も干涸らび伽藍堂になることを願って
深く深いまどろみの中に落ちていく

19/05/30 11:24更新 / ぼんくらなぼく

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