ポエム
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トイハート

ちっちゃな頃

とっても空想好きな子だった

一人遊びが好きで 

誰かと楽しくお話していたっけ


少し大きくなって

想像の世界には無かった 

人の肌の温もりにふれて

大勢の友だちと遊ぶよりも

一人一人と 二人っきりで

向き合って話をするのが好きになった 


でも あんまりしゃべらないんだ

相手の息遣いが聞こえるくらいの静けさの中で

ゆっくり 瞳でふれあって 

心を通わせていた


笑ったりもするよ 

でも ぼんやりした表情も素敵なんだ

心の服をときどき脱いで 

裸のハートにさわってもらったりした

相手の手 よく見えなかったけど  

僕に触れた指は 

とってもザラザラしていたことがあった


寒い冬の日 手袋をつけたまま 

ぎゅって つかまれたこともあった

あ、痛い・・・って感じて

僕のハートが少しヒリヒリして 

見たら血が滲んでいた

赤くなったとこは 

ズキンって ひどく痛んだ


ううん いいんだよ 

相手は悪くないんだ

僕がいけないんだよ

こんなハートをしている僕が


それからまた ひとり部屋の中で

想像の世界の相手と会話をするようになったよ

でも ときどき肌の温もりが恋しくなって

ハートを開いて触ってもらうんだ

柔らかく触れてくれるって信じてるんだ 


相手の手も見ていないのに

懲りないよね バカだよね

それでまた傷だらけになって 

痛くて眠れないほど一人苦しんだりする


でもね 痛みって少し好きだよ

だって それは好きな人が僕に触ってくれた証だから

友だちは あきれた顔で言うよ

「君が一人で傷ついてるだけさ 傍で見ていて痛々しいよ」って


でもいつかね 信じてるんだ

優しい手で 触ってもらえるって

大人になりきれない 

古いオモチャみたいな僕だよ


修理をお願いしたら 

もう部品がなくて直せないって

それなら どうか処分して下さい

傷で汚れた 壊れかけの マイハート

19/06/12 23:35更新 / エメラルド

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