ポエム
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線香花火と自由の星
僕らがきかされた
歌のやさしい結末を
たえまない線香花火の香りが
明日へいざなってくれる

誰も地面に灯る明かりを愛しげに
みおろしているのは
「そこにはみるべき花火があるだろう?」
というちょっと傲慢な主張に
目も合わせずうなずいてしまったからか?

詩を、
食べることができたらなぁ。

僕は、夜空みあげる自称三流詩人の
はしくれの、お笑い芸人もどきと
名乗ることができるのに。

いや、詩を
飲み干せるくらいのほうがいいのかも?
(それは、いいんだろうけど、
(でも、僕のじゃ、悪酔いしそうだって!
(とても、笑ってもらえないや

顔を見合わせて
猫を抱き上げる
ちょっと重いけど
ほんとうをいうと怒る猫型人間なものだから

なんて、愛おしい丸みのある肉体美なの?
とか、
テキトーを述べて
よーし、いい子いい子、と
のどもとを爪先で撫でてあげるんだ

僕らの世界はいつもピースの欠けたパズルだが
いまの世界では
この三日月の細すぎる夜空を
眺めなおすとこしえの魔法の
猫女の赤らんだ照れた笑顔の可愛さには
とても及ばない

それでいいのかにゃ〜?

しっとりと
流れつづける歌と
えらばれた悲しみの癒し方を
猫女のあなたは、

それでいいのかにゃ〜?

って、不安げに目をしぱしぱさせながら
僕をみあげながら尋ねるのだけれども、
そんな答え、持ってないし、
今夜の線香花火は成功でしたね、と、
猫のふりをやめた
あなたの寂しげな声を聞きながら
だって、人間だもの、って、
なんどもなんどもくりかえすあなたの
おちゃらけた笑顔をそっとぬすみみながら、

僕が、
この猫女、
本当好きなんだよなぁ、って、
好きになるって、理屈じゃなく、
そういうことなんだよなぁ、って、

わかりやすい恋心を披露したところで
死の香りがする線香花火の音が
小さく遠くなってゆき、
もはや消え去る直前に、
もう一度、死の直前の煌めきと
忘れられない真夏の夜空の夢を
僕らのこころにいつまでも
いついつまでも、
灯しつづけてくれているのだろうという、
とても素直なやさしい疲労にくるまれ、
明日へ向かって斜にかまえず、
ただ、小雨のようなおだやかな嘘をついていい
自由だけは、持っていてもいいだろうか?




19/09/02 21:38更新 / 花澤悠

■作者メッセージ
ちょっと、ながすぎかな?
でも、夏を送る葬送のうたなので。

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