ポエム
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裸になれるデブはいいデブ

携帯をカパリと閉じる音さえもすでに懐かしみを帯びながら


薄型のテレビが毎朝映し出す日本列島なめらかな島


遠くには青みがかった街があり青みがかっているオレかなあ


散会の後にプラカードは下がる 危機は今から立ち上がるところ


限界を超えた荷物で下校する中学生の眼のひかり良し


ひとつぶのホクロみたいな天体の中でもぞもぞ終わる一生


ちいさめの大人が乗ったブランコが前後する申し訳程度に


遊びにも緩急があり鉄棒に子供らもたれかかる午後四時


本来は目立つ色だが時を経て自然な色の安全の旗


子を抱いた母親、男、警官のいずれも黒くして夜がくる


石ころがシューズの中に紛れ込み足裏にある今のこころは


なんとまあ。明るく晴れた日曜に泣いてわめいて怒っている子


半袖にしてもずるずる降りてきて長袖になるオレの生活


柄にもなく深刻なことを考えていたら畳がずいぶん近い


イエスに似た外人に道をたずねられ「わかりません」と三回言った


右耳から入れた言葉が左から抜けてすずしい海へと至る


足払いネコにかけても転ばない 裸になれるデブはいいデブ


おじさんのキャリーバッグはおじさんに引かれそのまま男子トイレへ


屋根の上にソーラーパネルを置いている家の子供の歯科矯正具


膝蹴りを暗い野原で受けている世界で一番素晴らしい俺

16/05/23 08:18更新 / 工藤吉生

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