ポエム
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夕闇、帰る都会の一室

石けんの香りがする。
ボタニカルとか何とか言ってたけど、要は髪に優しいってことなんだろう。
でもこれもやっぱり君の匂いじゃなかった。


冷えた金属ベッドに残る微かな温もりに 入れ違ったことを知る。
こんな時、住む世界が違うことを寂しく思う。
選んだことを棚に上げて、そんな器用さだけはなくて。
夜の色がひどく虚しい。
今日は此処にずっと居ようか。
眠らなければ君は来るだろう。
水に濡れたままの髪をいじる。
風邪を引いてしまう気がした。
けれど、それなら明日は一緒に居られる?
時計の無い部屋でも
君が今何をしているのか手を取るように分かり、そうだった。
違いを選んだのは昔の自分だった。
もう同じじゃないんだね。
昏い言葉を跳ね返す磨りガラス。


さよなら
が悲しいと知ってから
ありがとう
が辛いと分かった。

いつまでも、これからも
続かないから続いているはずだった。
そんな、
関係
で。






だけど




早く君に会いたい。
19/06/14 22:33更新 / 辻葉冷弧

■作者メッセージ
絵空

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