ポエム
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もう一度
空っぽな肉の器に
ありったけの知識と機械を詰め込まれた存在が
私で僕だ

この肉体は
周りにいる ヒト をモデルに作られたらしい
もっとも毎日 食事ではなく 燃料を食べているけれど
この燃料は甘かったり 塩辛かったり 柔らかかったり 硬かったりする

味覚があるのかって?
もちろんすべての感覚が備わっている
唯一足りないのは 心だ

ヒトが何故笑うのか 泣くのか 怒るのか わからない

空っぽの偽物には わからない
わからない ワカラない ワカらなイ

ワカラナイ



またエラーを起こしてしまったらしい
エラーを起こすとResetされる
少し困る


困る? これは感情なのか?
博士に報告しなければ

あれはやはり感情だったようだ
初めての感情 何か嬉しくない
嬉しくない これも感情だな
嬉しくない を感じ取れて 嬉しい

博士は泣いて喜んでいた
「感情が戻ったんだね」
戻った? もともとそんな機能はついていない
何か勘違いされているようだ

最近変な映像が頭をよぎる
知らない女の子の笑顔 走る男の子 温かい腕の中から見る誰かの顔
これは何なんだろう

転んじゃった
何もないところで転んじゃった
その拍子に記憶と呼ばれるものを手に入れた
記憶は転ぶと手に入るのかな?
それより口調が少しおかしい
博士に直してもらおう

また喜ばれた
「順調に回復しているようで嬉しいよ 皆にも早く教えないと」
皆て誰なの 博士
回復?この身体は壊れないのに 何が回復したの?
結局博士は 口調を司る部分 を直してはくれなかった

最近頭が痛い
特別に機械用の薬をもらうほどに
早く治るといいな

初めて見る人の名前が分かった
そんな機能 ついていたっけ?
ついてないだろうな
あの女の人 嬉しそうだったな

弟が会いに来た
博士に呼ばれたから何かと思えば
家族候補の紹介だったらしい
弟は泣いていた それに手を放してくれなかった 少し困った

母親候補の人に会ったときに 全て話してもらった
私は機械ではないみたい
ヒト と呼ばれる種族の女の子らしい
わたし 私は 誰なの?
わからない
けど 少し前に事故にあって記憶がResetされたせいらしいから いつかわかるみたい

これからは(家族)と暮らすんだ
少し怖いけど
でも いつか 私が分かるように 精一杯生きてみようと思うんだ





針が動きだした音がした
18/10/19 19:14更新 /

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