ポエム
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マイコンジャー
  
ある日突然君は部屋の整理を始めた

もったいないと捨てられずにいた物

思い出だからとしまっておいた子供達の服

次々とビニール袋が増えてゆく

こうなると僕も知らん顔は出来ない

「何か手伝う事ある」

「古い棚とか捨てたいんだけど」

「車で処理場へ持って行けば良い」

「運んでくれる」

「もちろん」




夕方までかかり一応のめどが付く

「後は来週ね」

「来週もやるの」

「そうよ パパよろしくね」

「はーーい」




やっと解放されて二階へ行く

パソコンでくつろぐ僕を呼ぶ君の声

「パパ 炊飯器が変」

「どうしたの」

「スイッチが入らないの」

「コンセントは」

「挿してあるわよ」

「変だな エ 下から水が出てきたよ」

「ああ 洗ったの」

「洗った どこを」

「全部」

「全部 どうやって」

「お水の中でジャブジャブ」

「水につけたの」

「いけないの」

「だってマイコンが入ってるんだよ」

「そのせいでスイッチが入らないの」

「多分そのせいだね」

まったく君は少しは考えろよ と言いたかった

「下ろしたてなのに」

「買い替えるしかないだろうな」

「パパ何とかして 掃除機も換気扇も直したでしょ」

「マイコンはどうしようもないよ」

「ごめんなさい」

さっきまで元気いっぱいだった君が急にしょげかえる

「横にして水を出して乾かせば良くなるかも知れないよ」

僕は君が可愛そうで気休めを言った

「本当」

「それでだめなら新しいの買えば良いよ」

「うん」

その夜は二人でそうめんを食べた





「パパー ごはんよ」

元気の良い君の声に起こされる

テーブルに湯気の立つご飯とお味噌汁

「ご飯炊けたんだね」

「パパの言ったとおり乾かしたら直ったわ」

君はちょっと得意げなキラキラの笑顔で言う

「良かったね」

僕は後ろから君の肩を抱く

君は振り向き僕と唇を合わせる




失敗を責めないで良かった

僕はその時そう思った

今日も君の笑顔が素敵だから
19/06/02 08:44更新 / 司門君

■作者メッセージ
 ※「パパ」と言う呼び方は妻が私を呼ぶときに使います、娘たちは「パパを」卒業して「お父さん」と呼んでいる。

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