ポエム
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蹴られ慣れてる下腹部

のたれ死にしたことがある気がしてる照らされてオレンジの歩道橋


幸せなあちらのオレが今ここのこのオレを思いぞっとする夜


ぱぴぷぺのポップコーンに固いのがあって口からいま出すところ


ああ人は諭吉の下に一葉をつくり英世をその下とした


泣きながら叱ってくれる人は去り笑ってごまかす歯の真っ黄色


お父さんにかまわれたくて怪獣の口のあたりで撫でるテーブル


捨ててあるタイヤのなかに雨水が住んでてわりとちゃんとしている


1988年ファミコンで見た青空を今も愛する


どうしようオレに天使が舞い降りたそして始めた受胎告知を


派出所の前に立ってる警官の動かないまま小雨はつづく


メロディーをつけてあくびをした時の下降しようとするそのちから


怒ってるようなあくびでスカスカな一日は終盤にさしかかる


もうすでに少し歪んだ空き缶の蹴られ慣れてる下腹部ですな


雲と雲と雲と雲との戦乱のまっただなかに電信柱


風景を見てるつもりの女生徒と風景であるオレの目が合う


ほとんどの家に入れずほとんどの人にはオレがただのよそもの


君らのはケンソンだろうオレの場合ほんとにダメなんだよ近寄るな


体型のことを言われてひっこめる腹のそれほどでもない動き


ぼくは汽車、汽車なんだぞー! と駆けてきた子供がオレにぶつかって泣く


「魂の転落」とでも題すべき雲を含んで空暮れてゆく

16/05/02 15:49更新 / 工藤吉生

■作者メッセージ
現代短歌

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