ポエム
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紫陽花
雨の日は紫陽花がよく映える
今日はあいにくの晴れ間だけれど

降り止まない雨はない の
まさにその日を迎えている

それにしても
40年以上降り続いた雨を
いまさら途切れさすなんて
お天道さまも
どういうつもりなのか

もう25万km以上
苦楽をともにしてくれた相棒は
出だし早々 妙な奇声を上げて
僕を心配さすけれど

"病院"へ行っても
オレもオマエも どうせ
「歳ですね」
と一蹴されるがオチだろう

そして 紫陽花に 会いに行く
人間ならざる存在であることは
重々承知の上

たとえ雨の日でなくとも
会えるなら
会えるうちに
会いに行く

しかしながら
驚くべきことに
いつも いたはずの
その場所に
彼女の姿が見つからない

引っ越したのか
人間ばりに

でも跡地さえ
見つからないのだ

今年は 故郷の母に
カーネーションを贈った
無印良品のカタログには
僕の好きな紫陽花も載っていたけれど

母のことは 思春期以来
名前に「さん」付けで呼んでいる

一方
父のことは 未だに
父さん と
呼んでいる
面倒臭いからだ

僕は今 少々後悔している
もう一度
母さん と
呼べる機会を窺っている

そのとき僕は
うつむいて
母さん 母さん と
何度も呟いて
泣いているかもしれない
19/07/09 23:10更新 / ゆうこう

■作者メッセージ
作:2019年07月05日(金)

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