ポエム
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その町はまだ

おまじないや占いが生きていて

夕暮れになるとどこからか

豆腐売りのラッパが聞こえる

辻の電柱に光る白熱球が

町を琥珀色に変えて

大きな自転車に三角乗りの男の子が

裏通りを走り抜けて行く

夕闇に追われる様に

一途な恋に胸を痛める

まだ少年の僕が

不思議そうな眼で私を見ている

「大丈夫だよ」思わず声をかける

少年の僕はニッコリ笑うと

小さく頭を下げ

足早に夕の町にまぎれて行った

皆がテレビに夢中になるころ

町はもう夢を見始めていた
19/05/29 01:18更新 / 司門君

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