ポエム
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君と君の想い人と夏
「どうしてそんなに彼が好きなの?」
と聞くと
「そんなの考えたこともないわ」
と答える。
「彼のどこが好きなの?」
と聞くと
「そんなのわからないわ」
と答える。
「いつから彼のことが好きなの?」
と聞くと
「そんなの覚えてないわ」
と答える。

君はどうして彼が好きなのだろうか。
君は本当に彼が好きなのだろうか。

「あなたは真夏に飲むラムネがどうしてあんなに美味しいか、考えたことある?」
不意に君が問いかける。
「イヤホン越しに聞こえる蝉の音も、
足首にまとわりつく陽炎も。
夏は全てを透過する。
夏は確かに"そこにある"」

コンクリートを焦がす熱い日差しが
僕の胸を照りつける。

「苺シロップのかき氷にも、
裸足で走り回る子供達にも、
理由なんて必要ない。
真夏に飲むラムネにも、
わたしが彼を想うことにも」

そうだ。
考えたくない。
失いたくないだけだ。
夏のような君を。
君のような夏を。

「こんな幸せなかなかないよ」
と君は笑う。
あぁ、今世界が滅んでしまえばいいのに。
僕と君だけを乗せて。

このくそ暑い夏は、まだ始まったばかり。
16/05/14 17:12更新 / ゆら

■作者メッセージ
このくそ暑い炎天の下、
僕はどうしても譲れない何かと出会った。

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