ポエム
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拝啓「名も降らしてしまったあなたへ」
緑の隙間から差し込む光が地を血色よく見せる季節となりました。
あなたはいかがお過ごしでしょうか。
私は胸に手も当てずにあなたへ想いを募らせております。
鳩が鳴くには背景が土臭く、蝉が鳴くにはもう手遅れな外気が立ち込めておりますね。
私も肌は見えなくなってしまいました。
しかし、不思議とあなたを想うことが楽しくなっているのです。
私が日の加護をその肌に浸し、胸に手を当てていた時。
時に筆を持ち、黒く染め上げあなたを書き綴っておりました。
時にアルバムを取り、若いあなたへ怒声を浴びせました。
時に薔薇の花を眺め、茎の棘に触れて温かな雫を感じておりました。
あなたはそんな私の眠る間に、雲を作って知らぬ土地を濡らしておりましたね。
胸に当てた私の手はそんなあなたを溢し続けておりました。
掬い上げては平から溢れるあなたですもの、私は胸に当てることをやめてしまいました。
不思議なもので雨が少なくなりまして。
人が変わったかのように私はハサミを手に取りまして。
鮮やかとは言えませんが、不揃いな緑のカーテンができたのです。
日はカーテンを好みまして、私は着飾るオシャレに興じました。
だんだんと物が減りまして。
だんだんと周りが変化しまして。
だんだんと季節は寒くなろうとしております。
私は胸に手を当てずにあなたへ想いを馳せております。
あなたはいかがお過ごしでしょうか?
19/09/19 14:59更新 / ユーキャン

■作者メッセージ
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また不定期で詩を創作・投稿していますのでのぞいていかれてください!

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