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|灼ィ
 私の中には、今まで生きてきた分の嫌だった思い出がたくさんある。それに足して良かった思い出は少ない。私の心はいつも嫌な思い出、過去の失敗で埋め尽くされていた。私はいつもそれを手放そうとしていたけどなかなかできない。それが嫌だったけど捨てることができないなら、捨てようとしても逆に嫌なことを思い出すだけなら、一緒にそれと過ごしていくしかないと思ってもうあきらめた。
 去年の夏休み、私はテレビを見ていた。その画面にはひまわりがうつっていた。あまりにも楽しそうだったから私もひまわりが見たくなって、日中出ることを嫌がっていたのにも関わらず家を飛び出し自転車にまたがった。暑く湿った風と太陽に汗を流しながらひまわり畑に行った。ひまわりは綺麗だった。そこに来ていた人たちは笑っていて楽しそうで今を生きている感じがした。過去にがんじがらめにされて一歩も前に動けない私と違い、ひまわり畑に連れ去られてしまいそうなほど軽やかでふんわりとしていた。うらやましかった。私もそうなりたかった。好きでこうなったんじゃない。
 あれからもう1年経つのに私はちっとも変われていなかった。その事実があのひまわり畑を「嫌な思い出」に変えてしまった。良かった思い出のはずなのに、自分で嫌な思い出に変えて苦しんでいる。そのことに気付いた私はとても惨めだった。私も、あの夏のひまわり畑に連れ去られてしまいたかった。あの夏のひまわり畑に。
18/09/09 19:39更新 /

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